マンション管理業に従事している方にとって必須の資格、それが「管理業務主任者」です。
マンション管理会社にお勤めの方は会社から取得するよう要請されていることも多いと思います。
管理業務主任者って難しいのかな?どうやって勉強すればいいんだろう?
今回はこのようなお悩みを抱えている方に対し、私の実体験をもとに独学での勉強方法、必要勉強時間、難易度、おすすめのテキストをご紹介いたします。
管理業務主任者とは?
ものすごく簡単に言うとマンション管理会社が管理業務を行うために必要となる資格者です。
まずマンションは大きく分けて賃貸マンションと分譲マンションがあります。
前者は借りて住むマンションで、後者は購入して住むマンションです。
分譲マンションを購入した方を区分所有者と言います。
分譲マンションでは区分所有者で構成される管理組合という団体を作る必要があり、管理組合は自分たちでマンションのルールを決めたり、建物維持管理などを行います。
しかしマンションの規模が大きくなればなるほどやるべきことや専門知識が必要になってくるため、管理組合だけで運営・管理をするのは難しくなります。
そのためマンション管理会社に運営・管理を委託するのですが、委託契約を結ぶ際には必ず管理業務主任者が契約書に関する重要事項を説明しなければなりません。
これは後々契約について聞いていなかった!といったようなトラブルにならないようにするため、法律で定められています。
また契約後も毎年1回管理事務報告書を管理組合に提出し説明を行う必要がありますが、これも管理業主任者が行わなければいけません。
つまり管理業務主任者はマンション管理業界においてはなくてはならない存在です。
管理業務主任者は試験に合格しただけでは管理業務主任者としての仕事はできません。
- マンション管理業務の実務経験が2年以上ある
- 国が定めた実務講習を受けた
どちらかの条件を満たしたのち登録を行うことによって資格証が付与され、管理業務主任者としての仕事ができるようになります。
ちなみに資格の有効期限は5年で、更新するためには講習を受けなければいけません。
また合格した後に登録を行わなかったとしても、試験に合格したという実績はなくならずに残り続けます。
管理業務主任者試験概要
ここからは試験の概要についてご説明いたします。
- 試験日・・12月上旬の日曜日
- 受験者数・・約16,000~17,000人
- 合格率・・約20%
- 合格点・・各試験回によって異なるがおおよそ50点中35点前後
- 試験時間・・2時間
- 試験内容・・民法、区分所有法、マンション管理適正化法、標準管理規約、建築・設備等 計50問 四肢択一式
- 受験資格・・特になし
管理業務主任者は合格率が20%とわりと少なめです。
合格点についてはその都度点数が多少変化します。というのも合格率をおおよそ20%にするためです。
全体的に問題が簡単で受験者の平均点が高いときは合格点が上がりますし、逆に平均点が低いときは合格点が下がります。
ちなみに過去15年間で見ると合格点が一番高かったときは37点です。逆に合格点が一番低かったときは32点です。
試験内容については宅建と内容がかぶる部分が結構あります。
例えば民法については10問近く内容がかぶります。
そのためすでに宅建を勉強している人、取得している人はかなり有利です。
管理業務主任者の合格に必要な勉強時間・独学は可能?
私の場合は下記の通りです。
- 勉強時間325 時間
- 勉強期間約3.5 か月
- 点数42点 (この回の合格点数は36点以上)
全て独学で行いました。(このとき宅建については未学習でした。)
管理業務主任者は基本暗記物なので勉強の習慣がきちんとついている方にとって独学がやりやすい資格です。
もし勉強の習慣がついておらず勉強を続けられるか不安な方は勉強を続けることができる7つの方法を参考にしてみてください。
管理業務主任者の難易度
難易度としては宅建と比べると少し管理業務主任者の方が難しいという印象です。
合格率だけで見ると宅建の合格率が15%と管理業務主任者より低いので、宅建の方が難しいと思われるかもしれません。
ただ管理業務主任者の試験はさきほど記載した通り、宅建と内容がかぶることから、すでに宅建の勉強を行った人が受験者の中に一定数います。
現に資格学校では宅建の試験日が10月の第三日曜日、管理業務主任者の試験日が12月上旬の日曜日であることから、宅建を受けた1か月半後に管理業務主任者を受けるように推奨しているところもあります。
(以下資格学校のTACのページ)
そのため宅建の受験者よりも、管理業務主任者の受験者の方が全体的にレベルが高い傾向にあります。
また宅建の場合はテキストをしっかりと読み込んでいれば対応できる問題が多いですが、管理業務主任者については過去問やテキストに載っていないような超難問が5問くらいは出てきます。
このような問題は他の受験生の方もできないので落とすこと自体は問題ありません。
ただそうなると実質45問中35問以上正解しなければいけない、つまり8割近くの正答率でなければ合格できません。
以上の理由から私は宅建よりも管理業務主任者の方が難易度が高いと思います。
管理業務主任者の独学のやり方。
独学のやり方ですが、私は基本テキスト、一問一答問題集、過去問題集、予想問題集の4種類を購入して勉強を行いました。
勉強の流れとしては
- 基本テキストをしっかり読み込んで内容を理解する
- 一問一答問題集・過去問題集・予想問題集で自分の理解が足りていない部分を把握する
- 理解が足りていなかった部分について基本テキストに直接書き込みまたは付箋メモなどをつけて補足しておく(以後1に戻って繰り返し)
基本テキストをベースに一問一答問題集・過去問題集・予想問題集でさらに知識に肉付けをしていくというイメージです。
実際やってみるとわかるのですが基本テキストをきっちり読み込んで内容を理解したつもりでも、実際の試験での問われ方によっては正しい解答が出せないこともあります。
正しい解答が出せないということはまだその論点を完全に理解をしていないということです。
問題集に取り組むことで1つの論点でも様々なパターンの問われ方を経験でき、さらに間違えることによってその論点に対する印象が強くなります。
結果論点に対する理解度がさらに上がり、試験でどのような問われ方をしても間違えることがなくなります。
管理業務主任者のおすすめのテキスト
私が利用していたテキストでおすすめのものは下記のものです。
管理業務主任者 基本テキスト【TAC出版】
こちらがおすすめな理由は
- 試験で問われる重要な部分が赤シートで隠れるようになっている
- 図解やポイントをまとめた表などがあり、内容が理解しやすい
赤シートで隠せるというのはかなり重要です。
これによって通勤時間やテレビの合間のCMなどのちょっとした隙間時間でもしっかりと勉強することができます。
管理業務主任者 一問一答セレクト1000【TAC出版】
一問一答の問題集についてはこちらです。
こちらは赤シートが付属しており、答えを隠せるようになっています。
この赤シートを先ほどの基本テキストに流用できます。
1000問もあるのでやりごたえがあります。
管理業務主任者 項目別過去8年問題集【TAC出版】
過去問題集もシリーズを合わせました。
この過去問題集は分野別に問題が分かれており、見開きの左側に問題、右側に解答が記載されているので、一問一答の問題集と同じような感覚で解くことができます。
そのためまとまった時間ではなく、隙間時間で学習することも可能です。
管理業務主任者 直前予想問題集【早稲田経営出版】
楽学管理業務主任者直前予想模試【住宅新報出版】
ラストスパート管理業務主任者直前予想模試【TAC出版】
予想問題集は3冊買ってすべてこなしました。
これほどたくさんこなした理由は勉強方法のところでもご説明した通り、いろんなパターンの問われ方を経験して、論点に対する理解度をさらに上げるためです。
上記2つの問題集(特に早稲田経営出版)は本試験よりも難易度が高めなため、実力アップが期待できます。
ここまで紹介したTAC出版の本ですが、以下のTAC公式サイト[CyberBookStore]で最大15%OFFで購入できますので、是非ご利用ください。
TAC出版オンライン書籍サイト【CyberBookStore】
独学は可能だが、理解力がアップする資格学校の講座を受けるのがオススメ!
ここまで管理業務主任者の独学方法についてご説明いたしました。
独学は確かにできますが、私は是非資格学校の講座を受けてみることをお勧めします。
というのも管理業務主任者は民法や建築で普段聞きなれない用語がたくさん出てくるため、イメージが付きづらく、なかなか理解が難しいです。
その場合独学だと文言を丸暗記してすることが多いのですが、それでは本番の試験に対応できない可能性が高いです。
その点資格学校の場合は、難しい文言を簡単な言葉で言い換えてくれたり、具体例を上げたりしてくれるので理解がしやすく知識が定着しやすいです。
管理業務主任者をきっちり理解しておけば、類似資格であるマンション管理士、宅建士の試験で知識の流用ができます。
管理業務主任者の資格講座は通常7万円~8万円と割とお金がかかりますが、「スタディング」であれば4万円弱と通常の資格講座の約半額で受講することができます!
しかも管理業務主任者だけではなく、マンション管理士の講座もセットになっておりかなりお得です!
スタディングは通学形式ではなくウェブ形式のみで講義を行っていることからコストが抑えられ、ここまでの低価格を実現できています。
私は管理業務主任者よりもはるかに難易度が高い社労士でスタディングを利用していますが、図解や具体例をあげて説明してくれるので理解がしやすくかなり知識が定着している実感があります!
実際にスタディングを利用して管理業務主任者に合格されている方も多くいらっしゃいます。
下記のボタンから合格者の声が見れたり、無料体験講義を受けることができるので気になる方は是非一度チェックしてみてください!
まとめ
- 管理業務主任者の独学は可能
- 必要な勉強時間は約300時間~350時間
- 勉強方法は基本テキストをベースに問題集などで知識を肉付けする
- 基本テキストは赤シートで隠せるものを選ぶ
- 予想問題集はできるだけたくさん取り組むこと
- 独学は可能だが理解力を上げるために資格講座を利用するのがオススメ!(特にスタディング)
以上です。
この記事が管理業務主任者の合格を目指す方のお役に立てれば幸いです。
類似資格の宅建、賃貸不動産経営管理士についても別の記事で書いておりますのでよろしかったらご覧下さい。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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