行政書士と簿記1級ってどっちの方が難しいの?
今回はこの疑問に対し、両方の試験に合格した私がお答えします。
行政書士と簿記1級はどちらの方が難易度が高い?
結論から申し上げますと、一般的には同程度の難易度と言われています。
理由としては下記のとおりです。
比較内容 | 行政書士 | 簿記1級 |
---|---|---|
必要勉強時間 | 600時間~800時間 | 600時間~800時間 |
合格率 | 約10% | 約10% |
試験時間 | 3時間 | 3時間(90分+90分) |
試験回数 | 年1回(11月) | 年2回(6月、11月) |
試験の内容 | マークシート+記述式 | 記述式 |
様々な比較内容を上げましたが、上記を見てもわかる通り必要勉強時間、合格率、試験時間などの面でほぼ同じとなっております。
別の記事で行政書士・簿記1級に関する実際の必要勉強時間をまとめておりますので、よろしかったらご覧ください。
個人的には簿記1級の方がはるかに難易度が高いと感じた。
一般的には難易度は同程度と先ほど申し上げましたが、個人的な意見としては簿記1級の方が行政書士よりはるかに難易度が高いと感じました。
私の場合、簿記1級は3回目で合格(勉強時間2,600時間)、行政書士は1回目で合格(勉強時間840時間)しました。
個人的に簿記1級の方が難しいと思う理由を以下に記載します。
簿記1級は公認会計士・税理士を目指している方も多く受けているため、簿記1級合格を最終目標としている受験生の合格率はかなり低い。
簿記1級は公認会計士や税理士を目指す方が力試しとして受けていることが多いです。
公認会計士や税理士は簿記1級よりもはるかに難易度が高い(当然行政書士よりも高い)ため、公認会計士や税理士の勉強をしている人にとっては簿記1級の内容は簡単です。
そのため合格率10%の中には公認会計士や税理士を最終目標としている方が多く含まれます。
そうなると最終目標を簿記1級合格としている受験生の合格率は10%よりも大きく下がることになります。
2021年で見ると公認会計士の受験者数は約9,000人、税理士の受験者数(簿記論、財務諸表論のみ)は約20,000人で計約29,000人です。
そして簿記1級の受験者数は2021年だと6月+12月で約16,000人です。
仮に公認会計士、税理士の受験者の3割が日商簿記1級を受験していたとしても29,000人×30%=8,700人となり、受験者の約半数を占めることになります。(※上記の受験者数の何割が日商簿記1級の試験を受けているかの正確なデータはありませんのでご了承ください。)
当然かなり難易度の高い公認会計士・税理士の受験生のほうが、最終目標を簿記1級としている受験生よりも合格する可能性が高いはずですから、合格者の中で前者の受験生が占める割合は半数よりもさらに多くなるはずです。
そうなると簿記1級を最終目標としている方にとって合格率は5%を切ることになり、行政書士よりも合格率が低い試験となります。
簿記1級の方が行政書士よりもケアレスミスで大量失点する可能性が高い。
簿記1級では電卓を使って計算を行うことやほぼ記述式であることから行政書士よりもケアレスミスが発生しやすいです。
ちなみ簿記1級で私がしたケアレスミスの一部を抜粋すると下記のとおりです。
- 解答が万単位で求められているのに、円単位で答えてしまった。
- 端数は円未満を切り捨てとかいてあるのに四捨五入で答えてしまった。
- Aだけの原価差異を求められているのに、全体の原価差異を答えてしまった。
- 有利差異を貸と記入せよと指示にも関わらず、貸方と書いてしまった。
- 営業利益を求められているのに、貢献利益で答えてしまった。
- 単位原価を求められているのに、原価の総額で答えてしまった。
- 電卓の数字を下書きに書き写す際に桁を1つ多く書き間違えた。
- 下書きの数字はあっているのに、解答欄に書く際に桁を1つ多く書き間違えた。
- 「10,000円→15,000円と利益は○○円増加する。」の○○を15,000円と解答。(○○円に増加するであれば15,000円が正解)
- 電卓の数字を打ち間違えた。
解き方を完全に理解し、計算方法が完璧にあっていたとしても、上記のように書き間違いや電卓で数字の打ち間違いをすると得点にはなりません。
さらに簿記1級は最初の問題の計算を間違えてしまうと、その後の問題も芋づる式に間違える構造になっていることも多く、1つのケアレスミスで大量失点することもあります。
行政書士だと1問をケアレスミスしてもで失うのはその1問の点数だけです。
そのため、簿記1級の方が行政書士よりもケアレスミスする可能性が高くかつそれが大量失点に繋がるという難しさがあります。
簿記1級は基本的には記述式のため、運で正解は不可能。
簿記1級はごく一部の問題は4つの語句から選ぶ選択式の問題もありますが、基本的には記述式です。
そのため答えが全くわからない問題が出たときに正解する可能性はほぼ0です。
その点行政書士はほとんどがマークシート方式なので全くわからない問題が出たとしても、例えば5肢択一の場合は20%の確率で正解することができます。
他の資格と比べた場合の難易度ランキングは?
私が今まで受けた資格の中で難易度ランキングをつけるとしたら下記のとおりです。(1番難しかった資格を100とする。)
- 社労士・・・100
- 日商簿記1級・・・100
- 全経簿記上級・・・90
- 行政書士・・・60
- 管理業務主任者・・・27
- 宅建士・・・25
- 建設業経理士1級・・・25
- 日商簿記2級・・・20
- 賃貸不動産経営管理士・・・10
- FP2級・・・10
- 日商簿記3級・・・8
- 給与計算実務能力検定・・・6
- 第一種衛生管理者・・・5
- ITパスポート・・・5
上記のように簿記1級は行政書士よりも2倍弱ほどの難しさがあると個人的には思います。
ただ行政書士もメジャーな資格である宅建や簿記2級に比べてはるかに難易度は高いと思いました。
まとめ
- 一般的には行政書士と簿記1級の難易度は同程度。
- 筆者的には簿記1級の方がはるかに難易度が高いと感じた。
この記事が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
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